露顕〔シオムウ〕
いろいろ書きたいなあと、ネタだけはあるんですが11日が近付いて気もそぞろとなっております。うう…不安と期待…っ。
ちょー腐注意です。腐。二回言いましたよ!
といいつつ朝チュンから始まるだだっと打ち。初々しい?お2人萌えっ!
内容などないのだ! 一応反転。
* * *
白々と空が明ける高地の早朝だった。冷えた空気にすう、と朝靄が流れる様を窓に見えた気がしてムウはふと視線を上げた。この塔の窓に扉等無いのだ。ただ、どういう仕組みか風も雨も音も、望めば入らぬ。そんなジャミールの塔なのだった。
はあ、とひと息。まだ起きる時刻は訪れず、眠る師を見詰めるムウは、未だ覚醒の無い己の身体に昨夜の事がじわり、思い出されて思わず唇を噛む。あれは。何だったのだろう、あの事は。この師に身体を拓かれて暫く。痛みが擬かしさに変わり、その歯がゆさがやがて…。あの声は本当に己の声だったのだろうか。高く蕩けるようなあの声は。この師の熱く凝る芯にこの身を暴かれ突き上げられて、身体に縋りもう堪えられぬと許しを乞い泣いたあの声は。
「…ムウ」
どきり。名を呼ばれ上げていた顔を伏せてしまうムウだった。ああ、この夜の己を恥ずかしいと言わずして、何をそう言うのか。私は何を口走ったのか。この期に及んで師の顔等見られぬ。そう思い、顔を伏せた先は師の胸の上。まるで擦り寄る様に寄る己に気付かぬムウをぎゅうと抱く腕があった。
「…起きるのか」
問われふるりと首を振った。寒いのか?と問われもう一度首を振る愛し子に、ふと笑んでその形のまま唇が羞恥に染まる首筋に落ちた。
「…あ」
ぞくり、身体を走る震えは昨夜を彷彿とさせ、いけないと思う意識を置いて、身体はぞくぞくと、その唇に追い立てられた。嫌、駄目、この様な、この、身体が、ああ、止まらぬ…。
「…これ、ムウよ」
この師に両腕で強く抱き締められて「これではお前を、手放せぬ」と耳元で囁かれ、思わずその首元をぺちり、と叩くムウなのだった。もう、本当に、これが悪いのだ、この師が、とぺちり、ぺちり。
「貴方が、悪いのです。貴方が私を」
「私を、なんだ?」
くすくすと笑われて、離れようと身を捩っても許されはしないのだ。「良かったか」と問われぺちり。「もっと、と強請っていたな」と言われぺちり。ますます抱き締められその腕に収まれば、もう観念するしかないのだと、せめて顔を見られぬ様にその胸にぎゅうと抱きつくしか無いではないか。
「愛おしい」
耳元で声がする。
「待っていた。わかるか?」
早く来いと、200年以上を待っていた。それからも、お前の幼い体を抱き締めて早く育てと。待っていたのだと言われ返す言葉も無い。
「あいしている」
お前はどうだ?とその瞳に見詰められ、答えよとその指先で唇をなぞられて、ああもう観念するしかないのだ。
「…聞かずとも、知っているのでしょう?」
貴方に恋焦がれる様に、私は貴方に育てられたのだからと呟くと、ふと師の口元が笑むのだ。ああ、もう。本当に。
ムウは観念したかの様に幼い頃から恋焦がれたその唇にそっと口付けるのだった。
* * *