「そのかわり」の究極な使い方
表題なんですけど
ユース離脱の若島津君と、母親が倒れて入院先に来た日向君が会って、いろいろあって日向君が言ったセリフらしいです。母親の入院費を捻出する為に仲間と決めた「プロ入りを一年遅らせてユースに専念しようぜ」っていう約束を反故にするしかねーかと適当に決めたプロチームに電話しようとしていたところを、若島津君に止められて通帳を渡されました。「契約金がそのまま入ってるから使ってくれ」みたいな感じで。
いろいろ会話があり、最終的に日向君は若島津君の好意を受け入れるんですけどそこで放たれた言葉が「これはありがたく受け取っておく。そのかわりお前をジャカルタへ連れて行く」だったんですって。と、曖昧に書いているのは私がまだ原作読んでないからなんですけど(探してるのに手に入らん)
いやいやどこにかかるのその「そのかわり」って
金借りて「そのかわり」ってどのかわりだよ…
などなど色々物議を醸したらしいこの「そのかわり」、とあるファンサイト様の分析を読んでなるほどこりゃ小次健を深く理解してないとわからんわと目からうろこ。そうか…なんか開眼したあたい。
日向君って色々人に助けられてる様にも見えますけど実はちょっと違っていて「才能に投資」「投資に応じて配当(成績)」って感じで対価を己の才能と努力実力で払ってきた自負があった。そこにはどうしたって上下のというか、立場の違いがあるわけで、日向君はその中で「等価交換」の人生を歩いている訳です。が、幼馴染でずっと一緒に戦ってきた若島津君とは立場も対等でそんな(上記のような)関係にはなり得ない。ってことはここで若島津君の好意を受け入れようとすると、純粋な「借り」になっちゃうわけですね。しかも金銭の貸し借りって親しい程難しい。(貸す側は戻ってこない前提で貸す心意気がないと後々醜く揉めます)
日向君はこの好意を受け入れました。
貧乏でも施しなんて受けないぜ実力だ実力で掴み取っていくぜって日向君が若島津君に対して、己の信念をよそに置いて「お前にだけは借りを作る」。そしてこの「そのかわり」なんですね。
なるほど!!!日本語へんじゃね?って思ってごめん日向君!こちらの理解が足らなかった!
でもって若島津君もそういった日向君の胸の内をちゃんと理解してるってことですよね。大見えきって抜けて、しかもTVで「なんとも思ってないぜ」とか言い放していたのに戻るんですよ。私が森崎だったら石投げますよ。物凄い勇気と覚悟がいったはず。それを呑み込んで日向君の「そのかわり」を受け入れた若島津君。そう思いながら見返してみるととものすごいお話ですねこれ。終生の親友ですわ。ていうか身内ですよねこれ完全に嫁でいい。←しかもこれ多分作者は意識して描いてない。きっと。そこが一番すごい事実だわ。
キャラがこう、独り立ちしていて作者に描かせる、そんな大作が「キャプテン翼」なんですね。「山田のバッティングが秀逸に描けたからここで負けるところをホームランにしちゃったよ☆」ってエピソードをもつドカベン並みにすごいです。
ファンサイト様、気付かせていただきありがとうございました。(日参しております!)幼馴染の存在ってほんとすごいな。
と言うわけで東邦に入学したばっかの若島津君と、特待生なんで先に来ていて迎えにきた日向君(の手)。あ、これ俺んだわ。って気付いた中学一年生の春。人生のギフトを受け取ったよ!やったね小次郎!!