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黄金聖闘士二次創作とたまにたわごと。ほとんど腐。羊師弟と兄さん's傾向。最近メモ化。お気軽にお声掛け頂けたら嬉しいです。

ってわけで良家コンビ

つまらん話は置いておいて。

 

良家コンビでGKコンビで苗字に若ってついてる。けど仲良くしてるところ見たことねーっていう若島津君と若林君です。良家っていうけど若島津君は空手流派のひとつ若堂流の宗家でだだっ広い純和風の庭に裏山もってて、若林君は旧財閥って感じであちこちビル持ってて家も洋風、庭とか庭園って言いたくなるような。

こんな話書きたいっていうメモ

 

 * * *

 

本日の練習は終了、明日は久しぶりのオフで主要なメンバーはコーチ、監督に呼ばれて何やら話し中。そんなふわっとした、緊張が緩んだ時間。

滅多にない光景だなあ、と反町は思っていた。いや、彼だけじゃなく今フィールドに出て練習がてらミニゲームに興じていたFW・MF・DF組はきっと皆思っているのではあるまいか。ゴールポストの裏に、我が全日本が誇るGKが二人、一人は悠然と腕を組み、もう一人は腰に手を当て威風堂々こちらを見ているのであった。取り立ててこの二人が仲が悪いと聞いたことは無いけれど、仲がいいところも見た事は無い。その二人がゴール前でわちゃわちゃ右から左からシュートを打ち合い笑うチームメイトを無表情で見据えているのである。なんか怖いんでやめてほしいんですが。

その光景を、なんだあれ、と思った人がもう一人いる様だ。

コーチと話が済んだのか、ジャージを肩に掛けタオルを被ってペットボトルの水をひと口。何気に近付いた日向の耳にGK二人の声が届いた。

「右」

「当たり。…次は、右か。ワンパターンだな」

「厳しいね。あんたのところのFWじゃないの」

「気を抜くとクセが出る。良くないな」

成程。シュートの読み比べらしき事をしているようだ。この二人に睨まれてはやりにくいだろうな、と思った日向はボールをキープした反町に『流せ』と合図を送る。届くかどうかと思ったが、GKの後ろに立つ旧友の意図をくみ取ったようでシュートの勢いのままふと左へパス。受けた井沢がシュートを放った。

休憩休憩と誰かが言ってボールはころりゴール前に転がって、よっ、と早田が蹴り上げ手に受け取りざまに見ると。

GKの片方がにやりと笑んで、目の前の肩を叩く。それから何かを耳打ちした様で、もう一方が「はは」と笑った。長めの髪がゆらりと揺れた。

「…笑ってんよ」

「お二人サンの歓談って初めて見たわ」

ほえー、珍しいーと思う面々を余所に、さらには言い合う声がする。だろう? いや、どうかな。そうだって。だけど。

「若島津」

と。会話の流れを断つ様に名前を呼ばれた。振り向いた若島津の横には日向がいて三人は「よお」「お疲れさん」「そっちも」と声を交わした。

「若林。監督がお前を探してたぜ」

「あ?なんだろ」

振り返ると丁度こちらに気付いた監督が「いたいた」と若林へ合図を送っている。

「行ってくるか。じゃあな」

「ああ」

「お疲れさん」

至ってにこやか。

さて、俺らも戻りますか、と呟いてカバンを持とうとした若島津の腕を取り日向がひと言。

「少し付き合えよ」

ひょい、と親指でグランドを指す。シュー練のお誘いに「あまり遅いとメシ食いっぱぐれますよ」と冗談めかして言いながら一度外したキーパーグローブを付ける若島津を連れてフィールドへ。

「おお、いいなあ」

混ぜてもらいたそうな早田に「やめたげて」と反町。

「邪魔されんの嫌がるんだよ日向サン」

「なんやケチくさい。みんなで練習したらええやろー」

「まあまあ」

邪魔されるの嫌がるんだよねーと反町は思う。思えば中学の時からだ。部の練習が終わった後もああしてシュート打ったり取ったり、あの二人は良くしていた。

なんていうか、練習の邪魔というよりも。

なんだかわからん。わからんけど。まあいいや。と、まだぶつぶつ言ってるチームメイトに「メシメシ」と急かして反町は宿舎へ向かうのだった。

 

 * * *