邂逅〔シオムウ〕
ちょっとここ数年、人生においてあまり無いってくらい戦いの日々だったんですけどそのクライマックスが去年春から今までの一年でした。特に最後の半年はもう凄かったです。仕事の話ですよ。プライベートは至って平穏。
なんでこの半年の萌えや二次への、なんていうか、図らずも開いてしまった距離を現在修復中というか、意識や感性を仕事やその環境にぐぐっとフォーカスさせていて、それがまだちょっと通常に戻らないっていうか、そんな感じなんです。私の場合、まず言葉があって、そこから話を広げていくプロセスで文章書く感じなのですが広げる行為のやり方が戻らないような。
それでも今年に入ってもう一度魔界都市読み返そうかとか、思い始めたので大丈夫大丈夫。
しかしそれにしても本当にこの半年は自分自身たいへんだったんだなと。
そう思いながらビール飲んでます。
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邂逅
冷たい等とは思わぬ。細く開いた己の目を射す様な真白の、空。そこが何処か等。考えもせぬ。
溶けぬ。この身は既に熱をもたず、事切れて、ひとひら。そう、ひとひら。これが何か等。思いもせぬ。ただ揺蕩うのみの我が身を、揺らすものがいた。
- 探したぞ
- こんなに、深く
その音に浸み込まれ、ぞくり。今まで忘れていた痛みがこの身を苛んだ。これは、何。払われて、晒されれば肌は凍てつく風に逆らって痛みを生むのだ。…まるで、氷が割れる音の様…。ゆらりと揺れるのは、誰かに抱え上げられているからだと思い至る。
- 痛むところは
足の先から摩られて、じわりと染むのは。これは。
- まだ、目覚めぬか
ふらりと寄っては遠退き、覚醒の狭間にそう問われた。その音を私は知っている様な気がするのだ。誰?私を呼ぶこの音は。目覚め?目覚める等それが何なのかも思い出せぬと言うのに。
ああ。そうだ。閉じた瞼の向こうにあるのは白。
最後に見た日輪の白さ。この目を焼いた。それは、福音だ。この為に生きて、果たしたのだ。私の魂の使命。いつか、受け取った使命の連鎖。果たしたのだ。もう二度と、目覚めぬ。私は。
目覚めぬ。もう良いのだともう一度凍てつく闇の安寧へ沈もうとする私の耳に、今確かに音が声として届いたのだ。
「 未だ身が心が融けぬなら、この師が自ら溶かしてやろうか」
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