たわごと:ネタはあがってるんだ!
しかし煮えきらぬ。むうううまだ若干お疲れの余韻が残ってるような…年末年始話も結局不覚にも日にちずれちゃったしなあくそう…w
ところで二月ですねえ。バレンタインには何を書こうかなってはじめに思う辺りもう駄目って感じですね。でもまあ楽しいので言いのかなって思います。それにしてもホワイトデーのネタが先に思いついたのでどうしよう…。あと3月の羊月間の仕込みもしておきたいなあ。過去作品の某刑事物も映画に間に合う様に加筆修正したいところ。あと、お正月に再燃した魔王伝も書きたい!でもこの魔王伝、かなり昔に読んだものなのでもう一度読み返さないとだめかしら。といいつつ記憶で書いてみる。せつら×幻十のだだっと打ちっ。
***
滴る様な闇の先に白く朧に滲む裸体が見える。通りざま至る所に血溜まりを作っていた青年の裸体は、返り血ひとつ無いように煙る様に白いのだ。見つけた。あれは私の幼馴染。間違いようの無い。誰に気付かれることも無く口元が小さく笑んだ。
「気は済んだ?」
今は無音の闇に朗々と涼やかに声が通っていった。その声に問い掛けられた青年は気付いた様に暗い上を見て、足元に目をやった。やはりそこにも血が海を作っていたが、青年は静かに己の手を見詰め「何故」とひと言。掠れた声で誰に問うでもなく呟いた。
己の生命の大半を棺の中で過ごした彼は、確かにあの日死んだのだ。運命付けられた対決の時、彼の首を落としたのは幼い頃の戯れに巻きつけられた一筋の糸。心地よいとさえ感じていた幼馴染の。
「何故」
今度は理由を問う為の言葉だった。何故、僕は、生きている?問う先等ひとつしか無い。ああ、せつら。またお前の気まぐれか?久しぶりに会う幼馴染の呆れたような視線を受けながら、青年に近付く男の漆黒のコートがはらり舞った。
「ずるいと思わないか」
「ずるい?」
そうさ。とせつらは小さく首を傾げた。
「魔界都市の封印をかけて僕らは戦った訳だけど、死んだ方が楽をするだなんて、ずるいと思わないか?」
そもそも魔界都市を欲しいと思ったことも無い、等と言うのだ。貰ったところでどうしろって?と、まるで何かのオマケを手にして持て余しているかのような様子に青年は深くため息を吐き「…どの口が言うのやら」と肩を竦めた。
「君は僕の戦利品だ」
「それこそ、僕に何をしろと?」
新しい糸の試し切りの的か?新しい技の試験体か?或いは。
「そう何度も付き合いきれんな」
「まさか」
「ほら。次に切り刻んだらもう二度と起さないでくれよ」
やるなら早くやれと言わんばかりに、両手を広げて向き直った青年を見詰め、せつらはやれやれ、と首を振る。そんなつもりは無いのだ。今は。
「幻十」
何時の間にかすぐ横まで近付いたものか。黒いコートを己に着せ掛ける男の美しい顔を平然と、怪訝そうに見返した幻十と呼ばれた青年の姿もまた、せつらに負けず劣らず美しい。このままその唇が近付いても、誰もが当然と思ってしまう程には。