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黄金聖闘士二次創作とたまにたわごと。ほとんど腐。羊師弟と兄さん's傾向。最近メモ化。お気軽にお声掛け頂けたら嬉しいです。

給餌〔シオン ムウ〕

金魂の、おじいちゃんに話しかける時のむうさまがすごいうれしそうな件。童虎ムウの可能性を示唆しているのだろうか。ううむ…悩むわあ←

 

我がシオンムウ道のおふたりのお師匠さまの内のお1人のサイトにあったメエドルがかわゆすぎて(*´Д`*)!!!メエドルメエドル…と今日1日ぐるぐるしてました!食べた事ないだろうなあ、貴鬼はあるかもしれないけど…。老師はどうでしょうね?割とハイカラなお人の気がしますがw

 

と言うわけで…だだっと打ち小話…。

 

 * * *

 

 いよいよ夏も盛りの昼下がり。聖域の外ではシエスタの時間かも知れないが、生憎ここにはその習慣はないのであった。つい先程に「そういえば何で無いのだろうな?」と言う蠍座に「保養地がカノン島等と言っている我等がこの程度の暑さで何を」と獅子座が大いに笑っていたが。兎も角明確な理由は無いが、頑なに古の生活様式を固持する聖域が何故かシエスタだけは無いのである。

 12宮の丘の石段を我が家とばかりにゆるりと下りる白い法衣は当代教皇シオンであった。通り過ぎる宮の主の礼にそれ以上は無用と片手で応え、目指す先は己が若き日に守り、今は己の聖衣を継いだ弟子の所有の白羊宮である。勝手知ったるとかたりと扉を開ける。そこには己の愛弟子が、すと姿勢正しく涼やかに椅子に座りじっと卓の上を見詰めているのだった。

 その卓の上には何やら、カラフルに模様が描かれた容器がひとつ。何をしているやらと弟子の背に立ち覗くとどうやらこれは、当代の御主女神のおわす辺りの言語の様だとシオンは思う。紙の蓋がされ、上には、これは箸と言うものだっただろうか。童虎が上手に使う、と小さく首を傾げたところで弟子が「師よ」と大きな目で見上げているのだった。

「ムウや。これは何か」

 問うと弟子はまたすいと視線をそれに向け「これは御主女神のおわす辺りでは、即席麺とその様に」と言った。ふむ。と師は頷いた。

「して、お前は何をしておるのだね。ムウや」

 更に問われ「出来上がりを待っております」と言う。成程、何となくここに、湯を入れて3分と、書いてある様だ。200も齢を重ねると大体の言語は勘で読めるものだと教皇シオンは思っている。

「…そろそろでしょうか」

 多分これで正しい筈、と施されていた蓋を取ると湯に柔らかくなった麺が見える。「つまり、これは食料なのだな」と師が呟いた。

「貴鬼が昨日に日本から持ち帰りまして、なかなかに美味しいものと」

「ほう。どれ」

 言うが早いか、3分をじっと待ち続けた弟子の了承も取らずひと口。そうしてまたふと、首を傾げた。「いかがです?」と弟子が問うた。

 「…分からぬ味よ」

「…味が薄いと?」

 どうだろうな。薄いというかと、麺をすする弟子を置いてぶつぶつと呟いて、すと奥へ行ったシオンは手に何やら容器を持っている。

「これではどうだ」

 ぽとり。どうやらこれはヨーグルト。それにすりおろしてあったしょうがやらにんにくやら。「唐辛子が確かあちらに」と弟子も立ち上がり、ターメリック、クミン…等などを湯が熱い内にとどんどん投下しては満足するまで味を見ている。

「これならなんとか味も整った」

「…成程。色々手を加えねばならぬものではあるのですね」

 ふむ、と満足そうにやっと食べ出す師と、よしよしとそれを見守る大師匠の様子を、何時の間にか帰った幼い弟子がはて、と見ている。昨日己の師に日本のお土産だよ!と手渡したのは日本の名店・塩味の王道と書いてあるカップ麺。それをああまでしてしまっては…。

「…あれじゃあトゥクパじゃないか」

 と幼い弟子は呟くのだった。

 

 * * *