areaFree

黄金聖闘士二次創作とたまにたわごと。ほとんど腐。羊師弟と兄さん's傾向。最近メモ化。お気軽にお声掛け頂けたら嬉しいです。

休息〔シオムウ〕

黄金魂って隔週ですかいくそう楽しみにしてたのにい(´・ω・`)。前にも書いたかもですがうちの会社、このご時勢にも関わらず完全週休二日じゃないんですよ。巷では週休三日なんて話もでているようですけどね!確かオランダではすでにそうらしいですが三日はちょっと休みすぎじゃね?て思わなくもないのですがいやいや休みが増えるのは嬉しいですけど提案日とか納期があるとそうも言ってられないのが現実…。ああ早く宝くじあてなくては!

 

 

pixivの方では痴話喧嘩の愚痴と愛弟子不在に嘆いていた猊下ですが、ほんとお疲れ様ですって小話。腐ですよ腐です腐。三回言いました!

 

 

 * * *

 

 ことり、静かに扉を開けて奥の間に入るのは日中は不在であった白羊宮の主である。数日前に祭事の為に潔斎に入る師に使いを頼まれていたのだが急な修復やら来客で中々果たせずにいたものを、やっと本日、果たす事が出来たのだ。しかし本日は師が神殿から帰還する日でもある。何時もは先に奥の間に入り師を出迎えるのが常であるのだが、この時刻になってしまったのだった。

 陽は落ちて、常夜の灯りがちりちりと灯るだけの奥の間はしん、と静まっていた。「師よ」と呼びかけても応えは無い。薄明かりに見ると黒の法衣は長椅子の背に、祭事の為に何時もより多かった装飾類は無造作にそこに置かれていた。それらの一つ一つを手にとって、しゃらりしゃらりと収めるべき場所へ仕舞い込むのは、甦りこの師の身の回りをみる事となった時から己の仕事のひとつなのだった。それらをし終えて更に奥へ。師の寝室は更に暗く、果たしてそこには数日の祭事を終えて帰還した師が静かに寝息を立てていた。

「我が師よ…」

 やはり応えは無いのだ。青みを帯びた豪奢な髪は今は敷布にさらりと舞い降りて幾筋かに流れていく。片手を乗せた胸は静かに小さく上下に揺れて、全てを見通しているのではないかと思わせる紫にも寄る藍の瞳も今は閉じられた瞼にすっかり隠されている。弟子はふと首を傾げた。己の師は聖域の長・教皇。ここ聖域は幾重にも女神の加護と教皇の強靭な結界が張られている。得体の知れぬものが近付こうものなら、例えば指に何かが触れた感触でそれらを感知する程のものなのに。弟子とはいえ他者が此処まで近付いてもぴくりともせぬとは余程お疲れなのだろうか、祭事とは如何なる物なのだろうかと思う弟子なのだった。

 手にしたいくつかの封書を枕元のテーブルに置き、弟子はふと寄り極身近にしゃがむと横に付す身に添うように置かれた師の腕を無造作に手に取った。そうして親指から一つ一つ丁寧に揉み込んで行く。これもまた、数日を不眠不休で行う時季の祭事を終えて奥の間へ戻った師へ、何時の間にか慣例となっている事。掌、腕、二の腕、肩と、じわり小宇宙の癒しを施しながら右が終われば左、手が終われば足と指圧を施して一通り済むと薄手の掛布を直したところで、するりと弟子の肩に回る腕があった。

「何処にいた?」

 そう問いかけられた弟子は既に師の腕の中。何とも手際良く掛布に引き込まれきつく抱き締められると、数日振りの師は祭事の名残の甘い匂いがするのだ。胸元から首筋へ顔を上げた弟子はその甘い匂いを一度大きく吸うと「親書を、届けに。そしてその返信を」と言った。

「ああ…。そういえば、そうだったな」

 お前には、一族へ使いを頼んであったなと呟いてくるり。弟子の身を組み敷いて、何かを伝えようとする弟子の唇を塞いでしまうのだ。

「…お疲れ、なのでしょう?」

「…何?」

「…しばらくを、気付かずに」  

  休んでおられたではないですか。と途切れ途切れに問われふと笑む師であった。本当は12聖宮にこれが戻った事等とっくに気付いていたのだ。丘を上がってくる事も。目指す先が己の元だという事も。

「お前なのだから、態々起きる事もあるまいよ」

「…何時から気付いていたのです」

「お前のその指は、気持ちがいいな」

 それが無くては休まらぬ、その指がと師が言うと「それでは肩も背もしましょう」 と弟子が身を起そうとする。それをさせぬと更に抱き寄せ「その前に、すべき事があるであろう」と耳元で囁いてそのまま。数日振りの逢瀬の成就に笑うのだった。

 

 * * *

 

大人3人がわあわあ言い争っていた事は弟子には内緒です。まあ、この後貴鬼から知れちゃうんですけど。