ピロートーク〔ロスサガ〕
猊下に無邪気に言いたい放題された双子座の夜。射手座は多分いつでもマイペースで、最後は流されてしまう双子座の惚れた弱みって思いつき小話。
腐印注意!
* * *
ひとしきり触れ合って求め合った夜更けに、私の美しい想い人がふと溜息を付くから、一度離れた背を追って、腕を回して抱き寄せた。
「まだ、気にしている?」
「…ロス…」
するり。腕を撫でる指が艶かしくて、金に滲む髪を弄りその首筋へ口付けをひとつ。先ほどあれだけ吸い、甘く噛んだのにこの肌に飽く事は無い。美しい君よ。何をその様に悩むのか。私がこんなに愛を捧げているというのに。
「…本心では、無いよ。サガ」
「しかし…」
「私を、信じて」
「でもお前は…」
その先は、言わせない。私を疑う言葉等、この唇から聞こえる等許せない。そんな思いを込めた口付けに肩を震わす様が好きなのだ。愛していると耳元に囁くと「そればっかりだ」と愛おしいこの唇が言った。
「真面目に聞いてくれ、ロス」
「聞いているよ。私はいつも君に真面目」
「…信じら…」
ちゅ。
「だから、ロ…」
ちゅ。
そんな事を二度三度繰り返したら、サガの目がすと細まった。もしかして真剣に怒ってる?わかった。サガ。ごめん。サガ。
「悪気はないんだ」
「…悪気も何も、悪いのは私なのだから」
「そうではなくて…」
「…言われる事も、我が身が仕出かした事なのだから、覚悟は出来ているのだけれど…」
やはり。だけれども。言われ思い出すと辛いこともあるのだと美しい目を伏せて呟くサガを胸に乗せる様に抱き締めると、この人はまるで私の心臓の音を聞くように擦り寄るのだ。
「悪気など少しも持っていないと思うよ。あの方は」
綺麗な髪に口付けて、少し冷えた肩を撫でさすり、あの方を思い浮かべる。あの方は事実をそのまま、君に頼む理由として並べるだけで、本当にそれ以外の事を腹に持つ方ではないよ。猊下は。
「気持ちの良いくらいに、身内には表も裏も無いお方だから」
だから、ね?ほら、愛していると繰り返すとやはり君は「おまえはそればっかりだ」と、最後には呆れた様に笑うのだった。
* * *